案の定、灯は。






「……………は?」






世にも信じがたい、といった眼差しを汀に向ける。






大きく見開かれた汀の瞳は、緑なす葉を透かした陽射しを受けて浅葱色に美しく輝いていた。




………が、もちろん、それに目を奪われるほどの心の余裕は、灯にはない。






「…………お前、な。



この状況が分からないのか?


お前はそれほどに馬鹿なのか?



一歩間違えば泉に引き込まれて溺死だぞ、阿呆が!!」






「いっ、いやぁねぇ、分かってるわよ!


あなたがいなかったら、私いますぐ水の中だもの!」