そのまま泉の中に落ち込みそうになる。






「汀っ!!!」






灯は飛びつくように近づき、汀の身体を抱きとめた。






「大丈夫か!?」





「え、ええ………」





「どうした!?」





「なんか、急に、手が………」





「え!?」






汀の動揺したような視線につられて、目を落とした瞬間。







「……………っ!?」







灯はぞっとして息を呑んだ。






汀の白い腕、手首の上のあたりに、青白く透き通ったような何かが、まとわりついていた。







「………なんだ、これは。



手ーーーーーか?」







不気味なほどに仄青く細い指が、汀の腕をきつく捉えているのだった。