真剣な面持ちで必死に言い募る藤波に、灯が呆れたような眼差しを送る。






「…………ずるいぞ、お前」





「先に言った者勝ちだろ?」





「なんだその決まりは」





「だって、そんな危なそうな所に汀と一緒に行ったりしたら、何が起こるか予想するのも怖いよ」





「俺だって行きたくないよ」





「汀の世話係は灯なんだから、そこは覚悟決めてよね」





「いつ俺が世話係になった」





「だって灯が拾って来たんじゃないか」





「………………」






灯と藤波は押し付け合うように静かに視線を交わした。




そんな様子を汀がにこにこ見つめる。






「んまぁ、二人とも、子どもみたいよ。


男に二言はないって言うじゃない、蘇芳丸、約束を守ってちょうだいね」