灯に頭をつかまれて引き剥がされてしまったので、汀は頬をふくらませる。




しかしすぐに気を取り直し、これまで黙って成り行きを見守っていた白鷺に目を向けた。






「ねぇ、白鷺さん。


青瑞の姫が守っているっていう泉は、どこにあるの?」






すると白鷺は、申し訳なさそうに目を伏せた。






「ええ………あの、実は。


青瑞の姫がいるという泉の場所は、はっきりとは分からないんです」





「あら、どうして?」






汀は目を丸くして首を傾げた。




白鷺は言いにくそうに口を開く。






「青瑞の姫の泉を探しに行った男たちも、これまで何人かいたんですが。



ーーーーー誰ひとり、戻って来なかったんです」






「………………え?」







汀と藤波の声が重なった。