「ね、いいでしょう?


藤波ちゃんも、青瑞の姫、会ってみたいわよね?」





「えっ!?」






突然に会話に引き入れられて、藤波は面食らったように一歩退いた。



じとりと睨みつけてくる灯と、にこにこと同意を求めてくる汀の間で、藤波はだらだらと冷や汗を流す。



しかし、悩んだ末。





「う………ん、会ってみたい、かな?」





屈託のない汀のきらきらとした視線に、結局負けてしまうのだった。





それは、灯も同じで。






「…………はぁあ………。



仕方のない奴だな…………」






根負けしたように呟いた灯に、汀は抱きついた。





「ありがとう、蘇芳丸!!


あなたならお願いを聞いてくれるって思ってたわ!!」





「………阿呆っ!!


いちいち抱きつくなっ!!」