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寝床に敷き詰めた枯葉の中で、動物のように丸まって眠っていた灯(アカリ)は、不意に目を覚ました。
この寝ぐらにそろそろと近づいてくるらしい、微かな足音を聞いたからだ。
くすんだ色合いの枯葉の中に、目にも鮮やかな紅緋(あけひ)色の長い髪が広がっている。
その髪を軽く掻きあげてゆっくりと身体を起こした灯は、確かめるように外の音に耳を澄まし、嗅覚も研ぎ澄ました。
(…………この気配は。
あいつだなーーー)
そう思って、内心で溜め息をついた。
(………面倒だから、無視しよう)
灯は枯葉の中に再び身を埋ずめて、きっちりと瞼を下ろした。