老婆はつらそうに眉根を寄せた。





「そうでございます………。


嫁のほうは、どうやら、姑である私を、邪魔者のように思っているようで………」






「まぁ………」







薄絹の陰になっている目が、大きく見開かれた。






「そのお嫁さんというのは、どんな方なの?


おばあさまが家事をしている横で、だらだら寝ていたりとか?」






「いえ、そんなことは。


炊事も洗濯も、裁縫も、こちらが言わなくても色々やってくれております」






「まぁ、すばらしいわね。


では、お孫さんの世話をおばあさまに任せきりにして、お嫁さんは遊びに行ってしまったりとか?」






「いえ、そういうこともございません。


孫たちは立派に育て上げてくれました」






「では、おばあさまのことを面と向かって悪く言ったりするの?」






「いぃえぇ、まさかそんな」






「あらまぁ、じゃあ、とってもいいお嫁さんじゃないの。


おばあさまはなぜ、お嫁さんと上手くいかないと思ってらっしゃるの?」