「さ。次の方、どうぞ」





鈴を鳴らしたような可憐な声に促され、一人の老婆が入ってきた。





「いらっしゃいませ、おばあさま。


今日はどのようなことを占ってほしいのですか?」





「あぁ、青瑞の姫さま。


お会いしとうございました」






老婆は手を合わせ、拝むように目を伏せた。




それを見て、可憐な声がくすりと笑いを洩らす。






「あら、ありがとう。


おばあさまにそんなふうに言って頂けて、私も嬉しいわ」





「………青瑞の姫さま!!


実は………先日、私の孫娘が、姫さまの占いを受けまして。


それ以来、まるで性格が変わったように明るく、自分に自信を持つようになったのです。



それで、私も、ぜひ姫さまにお話を聞いていただきたく………」





「あら、なんでしょう」





「恥ずかしながら、家族の話なのですが。


私は、息子の妻と、どうにも上手くいかないのです………」






「まぁ、息子さんのお嫁さんと?」