その横で黙っていた灯が、ぴくりと頬をひくつかせる。





(水の精霊、青瑞の姫が、占い、だと………?


なんという、珍妙きわまりない意味不明な話だ………。



あいつがからんでいるに違いない!!)





灯は心の内で確信を深めた。






「それで、その青瑞の姫とやらには会えたのか?」





群雲が訊ねると、黒松はとんでもないとばかりにぶるぶると首を横に振った。





「もちろん、噂の占い処に行ってはみたのですが………。



驚いたことに、まだ商いを始めて数日だというのに、その占いは百発百中という評判で。


老若男女、こぞってその占い処に集まってきているのです。



私もいちおう申し込みはしてみましたが、一ヶ月先まで予約が詰まっていると言われまして。


とりあえず、中間報告のため白縫山に戻ってきた次第です」





「……………」






群雲も灯も、もはや言葉が出なかった。