(…………また、訳の分からないことを!



こんどはいったい何をしでかすつもりなんだ!?)





嫌な予感に蒼ざめている藤波を構うこともなく、汀は言葉を続ける。





「………そうよ。


何を隠そう、私はーーーえーと、あお、あお………」






はた、と言葉を止め、汀はぱっと藤波を見上げた。




そして、息吹と天城に聞こえないよう、小声で藤波に囁きかける。





「…………なんだったかしら」




「…………は?」




「ほら、あおなんとかのひめ、って言ってたじゃない」




「…………青瑞の姫?」




「そう、それよ!!」





汀は手を叩いて、息吹に向き直った。






「私こそが、青瑞の姫なのよ!


だから、私を閉じ込めたって、無駄なのよ!!」






にやりと笑って顎を上げ、自慢気に宣言した汀を、息吹は呆れたように眺めた。