「…………あっ」





後から出てきた息吹も、驚いたように汀と藤波を見る。






「お前ら! どうやって出たんだ!?」





息吹が言うと、天城が「まさか」と呟く。





「お頭、もしかして………この青目の女、本当に、人ならぬものなんじゃ………」






天城はどこか畏怖を含んだ眼差しで、汀を凝視した。




息吹も軽く眉をひそめて、確かめるような目を向ける。






二人の視線を受け止めつつ、汀は考えた。







(………あっ。いいこと思いついた)






青く澄んだ瞳に、悪戯っぽい光を浮かべて、汀はにっと笑った。





「…………うふふふふ。



ばれてしまったら、しかたがないわね」








いつになく低い声で言った汀を、藤波はぎょっと目を剥いて見下ろした。