「………で、あいつら、どうするつもりなんですか、お頭」





「そうだなぁ。お前は、どうやれば一番儲かると思う?」





「…………そうですねぇ」





「赤毛の男の首に懸けられている賞金は、思ったほど高額ではないらしい。


それよりはやはり、見世物小屋を作って、あの女を青瑞の姫というにして料金をとったほうが、儲かりそうな気がするなぁ」





「そうですかねぇ」






顔を突き合わせて相談する声は、小さくてよく聞き取れなかった。





汀は足を一歩踏み出す。




その足が転がっていた小枝を踏んでしまい、ぱきり、という音が思いがけなく大きく響いた。





ぴくりと反応した天城は素早く立ち上がり、入口まで出てきた。






「……………あ!!」





「んまぁ」







天城と汀は向かい合ったまま静止する。




藤波は慌てて汀の手を引き、逃げ出そうとしたが、その腕は天城の分厚い手にしっかりとつかまれてしまった。