「へー、あの人ここへ来たんだ……」
「リカーナ様が帰られた後から食事の量が減ってしまわれて」
「きっとあの人せいで不快な思いをしたんだろうね……
それで、あの人何しに来たんだって?」
「侍女から聞いた話しでは癒しの姫君の事を話していたようです」
「ふーん、ディアナの事か……。ムハト、母上の所には朝になったら行ってくる」
「そうですか。サラ様もアデル様のお顔を見ればきっと直ぐに元気になられますよ」
「あぁ、そうだね」
「アデル様、これからどうしますか?朝までには時間があります。横になりますか?」
「しばらく部屋で寝てくるよ」
アデル王子は自分の寝室に入ると握りしめていたペンダントを放ってから着替えてベッドに入った。