全てはあの計画を思い付いた時から始まった事だ。
癒しの姫君ディアナ……あの女は最初から計画の邪魔ばかりしてくれる。


アデル王子は「チッ」っと舌打ちしてまだ握っていたペンダントをディアナの代わりに忌々しげに睨んだ。



まさかディアナが無事に戻って来るとはね……。
このままずっと思い出さなければ失踪事件の本当の所は知られない内にあいつを排除し王の懐に入ることができるはず。


だがディアナが思い出せばいずれあの魔女にたどり着きいつ真相が漏れるとも限らない。
まるで綱渡りをしているみたいだ。


一日も早くあの座を奪いとり僕と母上を蔑ろにしたあいつらに思い知らせてやる。