やっと、ウトウトし始めた時、誰かが入って来たような物音が聞こえて来た。
リマさんが様子を見に来てくれたんだと思ったけど……何か変。
異様な感じがしてベッドの上で半身を起こした。
「お目覚めですか?癒しの姫君」
「……っ!誰?」
男の人の声……リマさんじゃない。
「よく無事でいられたね。
さすがは癒しの姫君……。
記憶をなくしているんだって?僕が誰かも解らないらしいけど……本当に記憶がないの?」
「…………」
この人誰なの?その人が立っている場所は暗くて声だけじゃ分からない。
空気が動いた気がしたと思ったら声の主はいつの間にかベッドの傍らに立っていた。