「ね、かなちゃん、いつの間にみんなのお姉ちゃんになっちゃったわけ?」


「あ?んなもんしらねーよ。勝手にみんながそう呼ぶんだから仕方ないじゃん。」



箒を片手にじっとこっちを覗いてくるミカン頭をきつく睨む。


あたしだって好きで呼ばれてるわけじゃない。

てか掃除するなら自分のクラスの手伝いでもしろって話だよ。



「そんなこと言って、どうせまたなんか世話やいたんでしょ?」


「…わかってんなら聞くな。」


「あーあー、ダメじゃン全く。かなちゃんは俺と遥香だけのお姉ちゃんなのにー。」


「お前の姉になった覚えはないけどな。」



ちなみに遥香とはあたしの弟、三船遥香のことだ。


いつも女みたいな名前がコンプレックスだといってるが、あたし的には男のくせに美人顔してる遥香にはぴったりな名前だと思ってる。


本人いわく顔もコンプレックスらしいが、あたしは大好きだ。