~理沙side~

家から歩き出して約10分くらい経ったのだろうか・・・

ここまで来たのにあれからまだ一言もしゃべっていない。
それは私を見てからずっとしゃべっていない・・・。


どうしよう、私やっぱりこの服似合って無かったのかな?でも、コレは亜美が選んでくれたんだもん!お墨付きなんだからぁ!


こうなったら、私から!!

「あの、日向・・君・・・。」

「うわ!いきなりこっち向くんじゃねー!」


え?
日向君の顔、耳まで真っ赤・・・。
もしかして・・・熱でもあるんじゃ!!

バッ!

「うわ!」

「日向君!大丈夫!?熱があるんじゃ!?」


ピト


ん?オデコは熱くないなぁ・・・
でも、ますます顔が赤くなってるよ?どうして?

「ねぇ、大丈夫?今日はやめて違う日に・・・」

「違う!あ、いや、~~~くそ!もう何でお前はこんなに鈍いんだよ!」



えぇ!?何で私が怒られなくちゃいけないの!?私が悪いことしたわけ!?



「あ、あの・・・」

「くそっ、もうドキドキしてんだよ!」

え?

「それってつまり・・・」


「お前みたいなのに本気になるなんて・・・」


え、え?
それって、つまり、私のことを本気です、す、

「好きだよ」

!?

何も考えられない。口をパクパク・・・金魚だよね。

でも、ホントに信じられない
私のことを本気で?どうしよう、なんか・・・胸が苦しいよ・・・。
痛いとかじゃなくて、ドキドキが止まらない・・・苦しい!

「はぁ、はぁ、」

「おい、大丈夫か!?」

「う、うぅう・・・」

私は何が何だか分からなくなってしまっていた。ただ、頭の中がグルグルまわってる。

どうしよう、なんか・・・くらくら・・してき・・た・。

ドサ!


あれ・・・?何がどうなって、あぁダメだ何も考えられない・・・。おかしいな、どうしちゃったんだろう。わたし、日向君が私の名前を呼んでる・・・。だんだん・・・遠くなって・・・


私の意識は、そこで途切れてしまった・・・。