【短】束縛男は私の彼氏





それから夕方まで龍は寝ていた



「ん…」



「あ、龍起きた?」



「ん…さくら…」



「ん?あ、そうだ龍、熱はかろっか」



「ん」



ピピピ



36.5度



お、平熱に戻った



「熱はないね、もう辛くない?」



「ん…」



もう辛くはないみたい



じゃあ、そろそろ帰ろっかなと思い



「龍?そろそろ帰るね」



と言い帰ろうとすると



グイッ



ポスッ



「さくら…行くな、そばに居て、ね?」



なーんて仔犬みたいな顔で言われた



そんな顔で言わないで〜



帰れないじゃん!



「分かった、今日はここにいる」



私も1人暮らしだ



だからどうせ家に帰っても誰もいないの



「ん…」



龍は私を抱きしめながら首筋に顔をうずめた







チューッ



はっ?!



「龍!なにしたの!」



龍は首筋に顔をうずめた後首に吸い付いてきた



「ん…」



ん…じゃないよ!



「俺のものってゆう印」



龍はそういいもう1度吸い付いた



「はぁー。キスマークつけすぎ」



後で見てみるとたーくさん首にキスマークがついてました







「おっはよー……?ってえ?!
なになに?さくらちゃん機嫌わる!」



「うるさい」



教室に入ると早瀬君が顔を青くしながらいった



「どうしたの?龍は?」



「っ…し、らない」



龍のことを聞かれると泣きそうになる



「さくらちゃん、ちょっと出ようか」



そう言って歩き出した早瀬君の後に続いて歩き出す



ギィー



着いたのは屋上



「そこ座って?」



コクンと頷きすわる



「さくらちゃん何があったの?」



「っ…」



「僕に話せないかな?」



「りゅ、うが」



「うん」



「………ってた」



「え?」



「龍が綺麗な女の人と抱き合ってたの!」



涙を流しながら言う







「…は?さくらちゃん以外の子と?」



コクン



「そっか…で、朝あんなに機嫌が悪かったと…」



「ほ、かの女の人と、抱き合ってほ、しくない、の」



ヒクッ



と泣きながら言う



「そう…」



「それでも龍のこと好きなんでしょ?」



「う、ん…」



ヨシヨシ



そういうと頭を撫でてくれた



ガチャ



「さくら!……おぃ、夏目なにやってんだ」



ヤバイと思った時には遅かった…



早瀬君、顔 青すぎでしょ



「はぁー龍、ある意味タイミングよすぎ」



そう言うと早瀬君は撫でていた手を離し龍のそばに行く



龍はもの凄い勢いで早瀬君を睨んでいる



「まぁ龍そんな怖い顔しないでさ
さくらちゃんと話しなよ」



「は?さくらと話?」



「うん、何か気になることがあるみたいだよ?」



僕はこれでね…
と屋上を出て行った



2人っきりだ…



気まずい







テクテク



龍が私に近づいてくるような音が聞こえた



ギュ



後ろから抱きしめられる



クルッ

ギュッ



「さくら?何がきになる?」



ビクッ



「ん?どうした?」



「龍、に…」



「俺に?」



「龍に女がい、る」



「あ?あぁいるぞ?」



当たり前だろみたいな顔をして言った



「え?」



「お前、おれの女だろ?」



「…っ」



いつもなら嬉しい言葉も今は嘘にしか聞こえない



「っ、なぁ、俺の女だろ?さくら…」



抱きしめる力を強くする



何も答えない私にしびれをきかしたのか焦るように聞いた



「何があったんだ?さくら?」



「龍が、浮気、して、た」



「は?なにいってんの?」



龍はばかだろこいつみたいな顔をして言った







「は?ちょ、マジで意味わかんねぇ」



こんどはちゃんと説明しろよみたいな顔をして言った



「だっ、て龍、の家にいこうと思って行ったら…」



そう、昨日は休日だったから特にやることもないし龍と遊ぼうと思い龍の家に行ったの



びっくりさせたくて何も言わずにね



そーして龍の家に着こうとしてたところに龍を見つけた



あ、龍だ



龍を呼ぼうと思い口を開けたとき



綺麗なお姉さんが走ってきて龍にがばって抱きついた



それを龍は払いもせずに龍の家に入っていった







全てを話終わりシーンとなっていたら龍が口を開いた



「それでさくらは俺に他に女がいると思ったのか?」



優しい声で私の頬を撫でながら聞いた



コクン



泣きすぎて声が出ない私はただ頷く



「そうか…」



そう言って立ち上がった龍の足を掴み叫んだ



「龍が、他の女の人に気があったとしても、私は龍と別れたくないよ!
そんな事をされても、私は龍が好きなんだよぉ!」



グイッ



「あぁ、分かってる、俺も別れる気なんかさらさらねぇ」



てっきり別れると言われると思ってた私はポカーンんとした顔で龍を見た



「んだよ、その顔、俺が別れると言うとでも思ったか?」



うんうんと頷いた



「別れるわけねぇだろーが
俺にはおまえしかいねーんだよ」



そうセクシーボイスで言われた



「あと、お前は誤解してる」



は?みたいな顔をしてる私に龍は話を続ける



「確かにあの日俺は女を部屋に入れたが…」



あぁ、やっぱり女がいるんだ



と思ってたところ…



「おい、さくら俺の話を最後まで聞けよ」



と言われたので一旦考えるのはやめて龍の話を聞く



「あれはな、俺の姉貴だ」







は?あれは俺の姉貴だ⁈



「えぇ?!うそっ!」



「本当」



その言葉を聞いた途端安心してまた泣き出してしまった



「ごめんなさい」



泣き終わった後疑ったことを謝った



「いや、俺も悪りぃんだ
さくらに姉貴の事言うの忘れてたから」



と龍は怒らずに言ってくれた



「あ、今何時?」



「あー昼過ぎだ」



えぇ?!私たち喋りすぎちゃったみたい



「あーもう、今から行っても遅いか
帰ろ、さくら」



そう言って手を出してきた龍の手を握り



「うん」



私たちは帰った



もちろん龍の家にね



こうして私の誤解は解けたのでした







あれから3年たち私たちは20歳になった



卒業してすぐに私たちは同居を始めた



3年たっても、龍の溺愛っぷりは変わらず…



「じゃあ龍、仕事行ってくるね」



「ん、行ってらっしゃい
他の男としゃべんなよ」



と毎回言われる始末です…



龍は私より仕事に行くのが遅いのでいつも見送ってくれるんだけど、毎回これを言われるのはね…笑



私は普通のOL、龍は大工をしている



朝は毎日6時起き、出勤は8時



毎日早起きは疲れるよね



今日も何事もなく仕事は終わり家に帰る



「たっだいまー」



……。



あれ?



龍は私より出るのも遅いくせに帰ってくるのも早い



だから、いつも見送りもしてくれるし、迎えてもくれる



なのに今日は出迎えてくれないみたい



「りゅーうーいないのー?」



返事はない



もーいいや、と諦めた私は着替えてTVを見る



なんか眠たいなーと思っていたとき、



ガチャ



「ただいまー」



龍が帰ってきた



パタパタ



「おかえり!今日は遅かったね」



「ん、ちょっとな。」



あ!と思い出したようにいい



「さくら、今から食べに行くから着替えて」



と言われたので、ちゃんとした服装に着替えて龍のところへもどった