「よしっ。じゃあそろそろ行こっか。」


遥希は、さっきまでの悲しそうな顔とは打って変わって、満面の笑みで席を立った。


「ここは俺のおごりなっ。」


そう言って伝票を持ってレジまで歩いて行くと、どんどん会計を済ませてしまう。


「ありがとう。ご馳走でした。」

「いや、今度はもっとちゃんとした店行こうな。」



遥希の笑顔。


でも、その心の奥には傷がある。


そう思うと、なんだか胸が苦しくなった。