それでも、傷の診察をする時には医者の顔に戻る。 「スパッと切れてるね。まあ、傷がくっつきさえすれば問題はないかな。でも、ちょっと化膿しそうだから抗生物質の注射をします。」 そう言うと、近くの看護婦さんに指示をだした。 「それから、3~4針縫ったほうがいいね。ここ、ちょうど動いて傷口開いちゃうと思う。」 そう言われた瞬間、美桜と目があった。 きっと俺、情けない顔してるんだろうな…。