「それで、今日はどうしたのかな?」 問診票に目を通している。 何て言えばいいか迷っていると、代わりに美桜が答えた。 「昨日、私のこと助けてくれて…その時にケガしちゃって。」 「助ける?」 「知らない人に絡まれちゃって…。」 一瞬、美桜を見つめる顔が父親の顔になったように思えた。 少し怒ったような、困ったような… 複雑な表情だった。