電話を終えると、美桜は歩き出した。 慌てて、美桜の隣に並んで歩く。 「病院まで20分くらいかかるけど大丈夫?」 「大丈夫。出来るだけゆっくり歩きたい気分だしっ。」 憂鬱な気分を誤魔化すように、ワザとおどけて笑って見せた。 なぜか今日は、肩に背負ったギターが重たく感じる。 美桜は、ほんの少しだけ歩くスピードを落とすと、優しく笑ってくれた。