ライブハウスはかなりの繁盛ぶりを見せていた。


ライブをするバンドの中に、遥希達バンド仲間にも一目置かれた実力バンドがいるらしい。


地下に続く階段を下り受付に行くと、この前来た時と同じスタッフが忙しそうにしている。


遥希に気付き、軽く手を上げる。


「すっげえギャラリー。こんなあからさまに違いを見せ付けられると、流石に凹む気も起きない。」

「お前らだって負けてないよ。」


遥希はズボンのポケットとから二枚のチケットを出すと、呆れたように笑いながら言った。