「綺麗だね。こんな近くで見たの初めてかも。」 「俺も。」 美桜は、大きな桜の幹にそっと触れた。 俺も真似して触れてみる。 幹はゴツゴツとして冷たかった。 やっぱり少し酔っているのかもしれない。ひんやりと気持ちが良かった。 所々に置かれたベンチには、カップルらしき男女の姿がある。 端から見たら、俺達も付き合ってるように見えるのだろうか。