「病院内を走らないでください!」
「すいませんっ!」
看護師さんに注意されても、構わずダッシュ!
といっても、私は足が遅いから、ダッシュをしても普通の人の速歩き程度の速さなんだけどね。
「春斗!」
「あれ?里桜?随分早いな」
私たちが会っていなかったのは、たったの丸一日だったのに、もう一年くらい会っていなかったような気がする。
「はぁ…はぁ…だって…早く春斗に…はぁ…会いたかったんだもん……はぁはぁ…はぁ……」
「すごい息切れだな、おい」
「だって、走ってきたんだもん…」
「そ、そうか…」
「春斗ーーー!!!」
ガバッと春斗に抱きつく私。
「なっなんだよ!」
春斗は驚いているけれど、そんなの気にしない。
「あのね、今日、寝坊したの!」
「は?」
「春斗という名の目覚まし時計がご不在だったから!」
「あ…うん…」
「それとね、家から学校までの道、間違えちゃった!」
「そりゃ大変だったな」
「大変だったよ!あとね……。会いたかった!!」
やっぱりずっと一緒にいたいよ。
朝から夜まで、ずっと一緒にいたい。
「……うん。俺も、里桜に会いたかったよ」
「早く治してよ?」
「頑張るよ」
「頑張ってよ!」
「うん。頑張る」
「ファイトだ、春斗ーーーー!!!」
「病院で騒がないで下さい!」
思わず大声をあげちゃったら、看護師さんに注意されちゃいました…。
看護師さんに注意されるの、今日で二回目だ…。高校生になったのに、お恥ずかしい……。