ここは…どこ?



気が付いたら、私は知らない場所にいた。


周りは、360度桜の木で、地面も一面桜の花びらで覆われている。


まるで、桜の絨毯のようになっていて、とても綺麗だった。



それにしても…季節外れだな…。




そんなことを思っていると。




[……………里桜さん]




え?誰が私の名前を呼んだ?




[後ろ。振り向いて見て]



その声の言う通りに振り向いてみると。


そこには私と同じ歳くらいの女の子が立っていた。



うわ…可愛い!


でも、誰かに似ているような…?






その子は言った。

[里桜さん。あなたは、何があっても春斗さんのそばを離れないでいてください]


え…?


この子は、春斗のことを知っているの?


[何があっても、絶対に離れないでいてあげてください]



最後にそう言うと、その子の体がどんどん透けて、消えそうになっていく。



待って!あなたは、春斗のことを知っているの?



そう聞きたかったけれど、声が出なかった。




そうしている間に…その子は跡形もなく消えてしまって、私の意識はどんどん薄れて行った。