そして。



「春斗くん。東京で手術を受けよう。腫瘍を全て摘出できれば、五年生存率は、60%〜80%になる。でも、全て摘出できない場合は、21%〜47%だ。どうだ?受けるか?」




そう、主治医である岡本先生に言われたのは、小5の夏のことだった。



五年生存率…もし全部摘出できても、あんまり高くはない。


それに、再発すれば、もっと生きられる時間は限られてしまう。



それでも、俺は手術を受けようと思った。



少しでも生きられるならいい。




一目でもいいから……。







愛しい君に会いたい。



神様。俺に時間をください。



そう願って、手術を受けた。