「キャーーーーッ!!木原く〜ん!」

クラスの女子のほぼ全員の悲鳴。


木原くんとは、このクラス…というより、この学校のアイドル的存在の男子。


優しいし、かっこいいし、面白いし。
成績も良くて、運動神経もバツグンで。


とにかくモテる人。が、登校してくると、いつもこの状態。



一応、私の好きな人…ってことになっている。



「リオ!ライバル多いけど、頑張ってねえ?」

「リオならいけるでしょ〜」


一応、私のいつメンである瑞希と未帆も言う。



………ごめん。私ね、



木原くんのこと、かっこいいとは思うけど、別に好きじゃないんだと思う。


恋じゃない。


それに、絵理沙と瑞希と未帆は、私にとってただのいつメン。



ほんとの友達じゃない。


クラスで孤立しないために、利用してるだけ。


それに、彼女たちが私の悪口を言っているのも知ってるよ。


この間、トイレで話してたし。