「へぇ。楽しそうじゃん。じゃあ、俺も友達二人、誘うな」
帰り際、春斗を例の夏休み旅行に誘ったら、OKしてくれた。
「ねぇ、春斗。私たちって…幸せだよね」
「え?」
「だってさ…好きな人がいて…その人と両想いなんだから…」
私がそう言うと、春斗は目を丸くした。
「好きな人がいても、その人と両想いになれるとは限らないでしょ?
それに、好きな人さえいない人だっているし…。
その中で、私たちは一番大好きな人と両想いでいられるんだからさ…。
それって、普段、当たり前のように思っているけど、奇跡に近いことだと思うんだ!」
私がそう言うと、春斗は優しく笑った。
神様、この幸せがずっと続きますように…。
私は心の中でそっと祈った。