次の瞬間。






私は春斗の腕の中にいた。







「えっ…?春斗……?」






「本当に?」




春斗の体が、少し震えているような気がする。




「う…うん……」



私…振られるんだろうな。


お前なんか恋愛対象じゃないって。



そう思っていたから、次の春斗の言葉を聞き逃してしまいそうになった。




「俺も、里桜のことずっと好きだったよ」



……やっぱり失恋…って……。




えっ!?



春斗が私のことを好きっ!?





「え…!でも…春休み…突き放したじゃない…私のこと…」



「ああ、あれは、俺って恋愛対象に見られてないんだなーって思って、イラついたからだよ」


「そうだったんだ…」


春斗……。



「里桜…」


春斗は少し茶色っぽい綺麗な瞳で私のことを見つめる。


彼の顔が近づいてきて…唇があと1センチくらいで触れそうになったとき…。




ガチャッ!!!


ドアが開く音がした。


「二人とも〜!準備できたわよ〜」




「お、お袋…」


入ってきたのは、春斗のママ…。



「あら、お邪魔だったかしら?」



おばさんはそう言ってまたドアを閉めた。


ギャー!!

見られた…キスしそうになってたところ、おばさんに見られたよー…!

私はゆでだこになりそうなくらい、恥ずかしかったけど…。

春斗はわりと冷静。

「ま、家も隣だし、これから色々できるだろ?」


「えっ…」



い、色々って…なんですかっ!?



頭の周りにはてなマークが飛び散る私のほっぺたに、春斗はキスをした。


「今はこれで許してやるよ」






余裕っぽいところが妙にムカつくっ!



だけど……。




大好き。