嘘……。
彼女はいなくても…好きな子…いるんだ…。
やっぱり私は…失恋か…。
言葉が出てこないよ…ショック過ぎて…。
「里桜?」
春斗が呼ぶけど、返事さえできない。
「お〜い、里桜?聞いてる?」
そう言って私の顔を覗き込む、春斗。
その瞬間、春斗は、一気に驚いた顔をする。
「なに…泣いてるの?」
春斗の言葉でハッとした。
私…泣いてた?
確かに頬が濡れてる気がする。
ほんと、何泣いてるのかな、私。
バレちゃうよ。
春斗に。
この気持ちが……。
そう思っても涙はとどめなく溢れてゆく。
「里桜。なんで泣いてる?」
「なんでも…ないや」
言えるわけない。
「なんでもなくないだろ」
「ほんとになんでもないの!」
「お前さ…。俺のこと好きなの?」
え…。
なんで知ってるの?