「あのさ、里桜」
「俺たち、遠距離恋愛になっちゃうじゃん?」
遠距離恋愛???
「ほら、俺が…この世界から離れたらさ…」
「……うん」
それは、認めたくないけど、認めなくちゃいけないこと。
「そうなっても…浮気すんなよ?」
「しないよ」
「まあ、そう言うと思ったけどさ。
俺は、
「いい人見つけて、幸せになって」
とか、言えるほど大人じゃない。
里桜には、ずっと、俺のことを考えていて欲しい」
春斗…。
「でも、里桜には幸せになって欲しい。ごめんな、どっちだよって感じだけどさ…」
そう言った春斗の目は、少し潤んでいた。