件名 無題

ごめんな。



春斗からの返信はたった一言。


なんか怒ってるとか思われたかな。



そう思っていたら……。


「里桜!!!」


窓の外から大きな声が聞こえた。


窓の外を見ると。




「誰もいないじゃん…」


なんなの。



私のこと嫌いな人がいたずらでもしてるのかな。




そのとき、もう一件、春斗からメールが来た。



件名 無題

玄関出て、右側見て。




は???


何言ってんの?


と、思いながらも、玄関の外に出て、右側を見た。



そこにいた、背の高い男の子と目が合った。





「里桜」


彼は私の名前を呼んだ。




さっき、窓から聞こえた声で。





え…。



まさか…。









「春斗……?」









「さっきお前のこと呼んだのに、聞こえなかったのかよ」