「春斗」
私は顔を上げた。
「まだ離れんな」
そう言って、強く私を抱き締める春斗。
まだ…泣いてるのかな…。
私は春斗の背中をさすりながら言った。
「私は…大丈夫。ずっと、春斗のそばにいるよ」
「俺が、こうやってお前を抱きしめられなくなっても?」
春斗は震える声で言った。
「うん」
「俺が、お前のことを忘れてしまっても?」
「うん」
「俺が、最期の日を迎える日まで…ずっと?」
「うん。ずっとだよ」
「ずっと?」
「うん、ずっと。私は、春斗から離れたりしない。春斗が大好きだから!」
「里桜…」
そう言った彼の体を強く抱き締める私。
大丈夫。
どんなときも、君を離さないから。
一人にしないから。
だから………。
不安にならないで?
その日、私たちは…。
初めて、お互いを愛し合った。