「はる……と………」
「そんな顔すんなって」
だめだ、泣いちゃ。
春斗を不安にさせちゃう。
そう思ったとき…。
春斗は私を抱きしめた。
まるで、泣いていいよと言ってくれているように。
「………っ…っ……」
私は声を押し殺して泣いた。
すると、春斗の腕が、微かに震えていることに気付いた。
春斗も泣いてる…?
その腕を見て、私は思った。
一番辛いのは、春斗じゃないか…って。
10歳のときに病気だと言われ、11歳で手術を受けて。
そして、14歳で再発していることを知って。
16歳で、余命宣告をされて。
私がしっかりしないでどうするんだろう。
彼は一人で全てを背負っているのに。