「手術が成功したら、里桜に会えるかな?って。
一目でいいから、里桜の姿が見たいなって。
俺、離れてる時もずっと、里桜のこと好きだったんだよ」
「え…」
「里桜のこと、忘れた日なんて一日もない。病気と闘おうと思ったきっかけも里桜だったし、昔住んでた街に帰ろうと思ったのも、里桜がきっかけだった。
つまり、俺の人生の中心は、里桜なんだよな」
中心が、私…?
涙が出てきてしまった。
そんなの…嬉しすぎるよ、春斗…。
私の涙を親指で拭いてくれる、その手が、とても愛おしく思えた。
「お前と一緒に、ここに来れてよかった」
春斗は笑った。
でもそれは……。
私の大好きな笑顔ではなかった。
まるで…。
泣いているかのような笑顔だった。
ねぇ、春斗。
このとき、春斗の瞳にはどんな風に私が映っていたのかな。