「やっぱりねー、2日前と全然配置が違うじゃん。青も赤もいすぎ。黄色は、自分の管轄だから良いけど……。青は出来れば、ねぇ?」



キーボードを叩きながら、明日からどう動くか考えを巡らせた。
配置の変化から、安全なルートを見つけておくのはここに住む者達の最低限のルールだ。



「カーゴが、一機しかないのがいたいよねー。」



ブツブツ言いながらも、きちんと逃げられるだけのルートを幾つか探り、カーゴの位置を把握した所でようやく一息ついた。
カフェオレを入れて、ソファにもたれる。
やっぱり、肩の傷がズキンズキンと痛みを訴えてきた。



「あーあ、何してるんだろ。人助けなんか、趣味じゃないのにね。」



仕方なく、古い薬箱に手を伸ばすと中からいかにも苦そうな緑の粉末を取り出した。
薄いシートに包まれていても、漢方のような香りがする。



「苦……っ。おぇー。」



僅かに顔をしかめるが、すぐにカフェオレを数口飲んで落ち着いたようだった。



「訓練、やらせるかなぁ……。自分がいない時に怪我とかシャレになんないしー。」



明日からの日程を考えるうちに、睡魔が襲ってくる。
痛み止めのせいもあって、すぐに眠りの世界へと吸い込まれていった。



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日が完全に昇った頃、ようやくユキが起きてきた。
しかし、目も合わせない。
近くに寄って来てくれないのだから、イオとしてはお手上げにちかいじょうたいだ。