バッサリと切り捨てられて、ユキは思わず睨み付けそうになったが、あわてて睨みを引っ込めると朝食を飲み込むようにして食べ終えた。



「うまかった。」
「それは何より。」



ユキの方を見ることなく、外出の支度をするイオ。
髪をとかして、着替えを済ませた後やっとユキに視線をやり一言。



「外には出ないでね、ロックはしとくけど。」
「おれも、外に出たい。」
「……ま、止めないから。死にたいなら、出てみたら?」



そう言って、さっさと出て行ってしまった。
ユキは、腹立ち紛れに壁を叩くもまだ力の弱い子どもがそれをした所で、自分の手が痛むだけ。
涙目になりながら、外出の支度を済ませると外に出た。



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外に出ると、ひっそりとした住宅街だった。
辺りに人の気配はない。



「え、ここどこですか。」



自分の記憶では確か、最上層のティーグラにいたはず。
だが、この場所は明らかに一般層かそれ以下の……ユキが踏み入ったことのない領域だった。