「ねー、ソレ。要らないんならさ、自分に譲ってよ。」


契約書とは名ばかりの、メモ紙にサインだけさせて小切手を渡すと、赤黒く変色した体のソレを担いだ。


「さーて、どうするかな。この野良犬。」


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「よっ…。」



道端に放られていた、汚ない小さなイキモノ。
目映い金色に惹かれて、連れて帰ってきてしまって気がついた。



「あ、餌ないね。」




そう、この部屋にマトモな食い物なんかはない。
ビネガーと、ドライトマト、フルーツ。
フルーツといっても、小さな体のこのイキモノに食わせるようなモノじゃない。



「あー、肉?魚?自分、飼えるのかな。」



クスクス笑って、ふわりと揺れる海色の髪をかき上げると、いまだ目を覚まさないイキモノを横目に、買い物に出ることにした。