『おっはよー!美晴ちゃん!』
「おはよっつか、ちゃん付けやめろ」
教室に入ると一番の仲良しの安西建(あんざいたける)が肩を組んでくる。
建とは入学式で話してすぐに仲良くなった。
身長165cmしかない俺に比べて建は172cm。
髪は金髪で一見近寄り難いけど、話せば人懐っこい奴だ。
『なぁ、今度帰りにカラオケ行こうぜ?』
「ああ、いいね」
そんな話をしている間に始業のチャイムが鳴り響く。
『やべっ!今日一限現国の神谷だっけ!?』
「そうだけど?」
『予習してねぇ!』
慌てて俺の後ろの席に座り教科書を広げる建。
「はははっ、どんまい」
紘は現国の教科担任だ。
まだ入学して数回しか授業をしていないが、皆から恐れられている。
見た目がかなりのイケメンだから中身もイケメン!
かと思いきや、かなり厳しい。