隣の席　　　牙雨


「……。」ガタン

そういや、隣の席の女気になってたんだ、名前聞いてみるか。

「!?(ビクッ)」

「?……あのさ、お前名前何て言うの?」

「え、えっと遠真汐葉です。」

「汐葉って言うのか。同じ学年同士宜しく頼むな。」

「……は、はい。」

結構、可愛いな……汐葉。俺の彼女にしたい。ジー……。

「?……あ、あの。」

「……ん?」

「ん?じゃないです。何か用ですか?」


「なぁ、お前好きな奴とか居るわけ?」

「い、居るわけないじゃないですか!!」

「じゃあ、俺振り向かすから誰も作るなよ!」

「(はぁっ!?)」

よし、絶対振り向かしてやる!俺の女にして一途にしてやる!

（でも、あいつモテるよな……。）

気づいてないっぽいけど(笑)


汐葉sibe

……っ!////何なんでこうなんのよぉーもうっ!チャラ過ぎ!

「はぁ……」

「汐葉ちゃん、さっきから溜め息ばっかりだよ?大丈夫?」

「うー……ん、大丈夫だよ。」

「汐葉ちゃんさ、恋に関して初心者だよね(笑)」

「な、なんでわかったの?」

「なんでって、牙雨君が話しかけてきたら結構硬直してたから(笑)」

「やっぱりか……。

男子に慣れてないのがバレバレなのは前からだし……。

というより、さっきから男子たちの視線がこっちに向いてるような気が……。

でも、なれないと駄目なんだよね。恋愛ができないや。

「……い」

「はあ……。」

「おい！聞いてんのか！」

「ほえ?」

「一緒に帰るぞ。」

は、はいいいいいいい!?なんでそうなんの?

「な、なんで?」

「いいから!」

強制的に一緒に帰らされる感じですか……。

犁ちゃんと一緒に帰りたかったのにぃ~!!!!!!

「犁ちゃ~ん!」

「汐葉ちゃんファイト!」

「そ、そんな~（泣）」