「ごめん。ね」

烈とぶつかった私はなんでもいいから話したくて誤った。

二回。

そしたら烈は

「……ごめん…ね。」

って言った。

私はこんなぶつかった位でなんでこんなに誤ってるの!?って冷静に考えたら顔が熱くなってきた。

「じゃっ。またっあ…した!!」

「うん…?」

烈はきっと変な奴って思ってる…。

当たり前だよね。

急に顔赤くして走って逃げたんだから。


「遅い。」

「ごめん!色々あってさー。」

歩未は結局10分私を待っててくれていた。

家の方向がほとんど同じだから結構長い時間だ。

「なんで俺達一緒に帰ってるんだっけ」

「歩未…。」

「んー?」

私は目の前の電柱に気ずかないで歩いてる。

「私…れ…痛っ。」

「私烈が好き。」

って言いたかったのに電柱にぶつかって言えなかった。

「だいじょぶか?」

歩未は私に手を差し出した。

「うん…。だいじょぶ。」

そう言って歩未の手を握った。

「で?なんて言おうとしたん?」

「私…。」

歩未は私の顔をじーっと見ていた。

「烈が好き…。なんです。」

歩未は一瞬目を見開いて言った。

「そーか。わかった。応援するよ。」

「ほんまに!?ありがとう!」

歩未は烈と仲良いから百人力だ。

でも、その時の歩未の目が悲しかったのに私は気ずかなかった。