ホテルのロビーに入った途端、ふわっと抱きしめられた。

「バカッ!奈瑠美、お前勝手にどっか行くなよなっ!」

「…離してよ。」
「離さない。つーか、こんなに濡れて。早く乾かさねぇと。」

「うるさいなっ!」
あたしは三枝くんの腕を払いのけていた。