「お互い様だろ。」

ふっと微笑むと、彼はまた歩き出す。
あたしはその後に続いた。

「よくわからない。」
「まあいつか分かるって。ほら、もうつくぞ。」

彼がぐいとあたしの腕を引っ張った。
「ちょっと!いきなり何するのよ!」

たったっと走ると、すぐ目の前に大きな建物が姿を表した。