「口っ…痛い……」

「消毒」

「えっ……っ」



痛くなってきた唇を離さそうとしたのに
一言その言葉だけを漏らして、重ねられる唇。


ああ、そうか……。
もしかしてこれは……。


いつも以上に、執拗にされるキス。

きっとそれは、
さっきあたしが、健太にキスをされたところを見られたからで……



「……独占欲…?」

「……」



合間を縫って、漏らした言葉。

上沢さんは一瞬だけ目を見開くと、再び目を細めてあたしを睨んだ。