「んっ……っ…」
部屋に入るなり、
襲ってきたのはキスの嵐。
荒々しく口づけられながら、
羽織っていたコートは脱がされ、厚手のニットも器用に剥がされていく。
ボスッと音を立ててベッドに押し倒された時には
キャミソールとスカートだけしか身に着けていない状態になっていて
それでも上沢さんのキスは止まらなかった。
「かみ…ざわさっ……」
「拓」
「た、くっ……」
慣れない下の名前は、滅多に呼ばない。
いつもの名字で呼んでしまったら、訂正された。
名前を呼ばれたことに納得して
再びその唇は重ねられる。
離されたと思ったら、なぞるように舌先で唇をなめとられ
吸われるように噛みつかれる。
何度も……
何度も……
いい加減、唇が腫れ上がってしまいそうだ。