「宿敵やのに手ぇ組むんですか?仲直り?」
「何を言っとるか!誰が宿敵と仲良くせにゃならんのだ!」
「さっきアンタが自分でゆうたんやんか、手ぇ組むって」
「手を組むフリをするだけだ!そこんとこよぉ~く頭に叩き込んどけ!!」

「・・・エ、てことは騙すっちゅう事?」
「そうだ」
「悪い事やん」
「儂等は悪名高きカリム盗賊団だぞ?悪さして何が悪い」
「・・・・・・」

俺、この盗賊団の跡継がなアカンって?

「ウホッチ!!」
突然お頭――俺のオヤジが叫んだ。
「はいっ!!」
ほんまに名前やったんやな。
ドアの向こうで待機しとったっぽいウホッチがイイ返事をした。
「アユムを着替えさせてやれ。それから計画の手筈をみっちり聞かせてやれ」
「畏まりましたっ!!」