「あの、マッスルさんにお聞きしたい事があるんですけど・・・」
「何かな?タット君」
「俺を見つけてくれた時、他に誰かいませんでしたか?」
「いや・・・誰も見なかったな」
「そうですか・・・。俺、仲間と一緒に居たんです。だから探しに行かないと・・・。その、俺が倒れてたっていう洞窟に案内してもらえませんか!?何か手掛かりがあるかもしれない――」
「・・・わかった。だが、ワームの洞窟は危険な場所だ。それなりの装備を整えてから出向いた方がいい」
「装備?」
「ああ。洞窟内に入る気なら、モンスターとの接触は避けられないぞ?武器や防具、アイテムは揃えておかないとな」
「あ!?でも俺、金持ってない・・・!」
ヤバい、ゲームの中でまさかのバイト生活スタートか!?
「はっはっは、それならタット君もハントをするといい」
「ハント?」
「モンスターを倒せば、お金になるの。洞窟は森の中にあるから、小物モンスターが沢山出るハズよ」
「そうと決まれば、早速街でショッピングだあ!!」
「いやいやいや、そのための初期費用が・・・」
「大丈夫!!無利子で貸そう!!森でのハントで徐々に返してもらうから!!」
「ありがとう・・・ございます・・・」
俺、すげぇイイ人達に出会えたんだな・・・。