「え！？どうしたの！？・・・美味しくなかった・・・？」
「いや・・・ちょっと・・・悲しい事を思い出して・・・」
そう言った俺を、憐れむように見守るルカナ。
なんか、いたたまれない・・・。

ルカナ本人はというと、自身の手料理をものともせずに平らげていた。
彼氏だの劇物料理だの味覚障害だの、このゲームは妙なキャラ設定にこだわりでもあんのか？

結局俺は腹の調子が悪いという理由で、早々に食事を切り上げた。
手を付けた以上、多少なり食べる努力はしたんだよ？
でも水で騙し騙し流し込んだようなもんだから、あれ以上食べたら本気で腹を壊しかねなかったと思うんだ・・・。

「そろそろ彼もハントから帰ってくると思うわ」
ルカナがそう言った直後に、玄関の方で物音がした。
「ほら、帰って来た」
俺の命の？恩人、その人の帰還というか帰宅である。