「……なんで私は番外編で初登場なのよ!信じられない……!」




バンッ




襖を勢いよく開けて現れたのは、茶から金へとグラデーションになっている髪にサングラスをかけた女性。




久しぶりの再会に嬉しくてつい抱きついてしまう。




「……お姉ちゃん………!!」




「…久しぶり、李!」




私を抱き締め返してくれる。




そしてサングラスを取ると、美夕紀さんが勢いよく立ち上がって大声をあげた。




「……あ、杏(あん)!杏だ!!」




美夕紀さんは涙目で近付いてきた。




「…美夕姉、知ってるの?」




夕里が聞くと、美夕紀さんは目を見開いて夕里を見た。




「夕里!知らないの!?杏さんは世界中でも有名な元モデルでありながら、洋服ブランド『plum(プラム)』を作った張本人よ!?




わ、私、大ファンなんです!!」




美夕紀さんは夕里に説明しながら、握手をしている。




「…あなたの着てる服、全部私のデザインした服じゃない!
嬉しいわ、身内にファンの子がいて




李の姉の杏華(きょうか)です。よろしくね?」




お姉ちゃんはニコッと笑って、両手で美夕紀さんの手を握った。



まさか美夕紀さんがお姉ちゃんの服のブランドのファンだったなんて。




ちなみに『plum』の意味は李。
お姉ちゃん曰く「李に似合う服を」というコンセプトにつけたらしい。




一回もお姉ちゃんがデザインした服は家にたくさんあるけど、着たことない。




なんだか着るのが勿体なくて。